ネバダにバンバン!
2019.02.10
先日、友達にサイレンサーをもらった。
SUZUKI BanBan200用の社外サイレンサー
俄作りのサイレンサーだったネヴァダには「棚からぼた餅」の話!
早速、その日の夜 すぐに取付~!
(ネヴァダのサイレンサーは片側だけノーマルの凹んだ物を切り詰め手直しした物、
形も異常に小さく容量もなく音も気に入ってはなかった)
意外にちょっとした加工で付いた。
翌日 2月5日
今日は休み、昼から時間も取れたし試乗がてらプチツー決行!
以前から気になってた北熊本の「浄心さんの楠」を尋ねることにした。
久留米から南下すること距離にして90Km弱、下道で片道2時間ほどの旅路。
楚々くさと冬装備に着替え独り言のように確認事を呟きながら準備する。
暖気を済ませ待機しているNEVADAにドッかと跨がり
「さあ、行きますかね!」話しかけるように囁いてクラッチレバーをgyっと握る。
ストロークの大きいチェンジペダルをユックリ踏み込む、
まだ温まっていないミッションギヤは重く鈍い動きと硬いタッチで足先に訴えてくる。
なんとかローギヤに入った事は確認しなくとも「ゴツッ」と構えたような挙動で股の下から答えてくれる。
・・「いざ旅立ち!」アクセルを少し開け半クラを多めに使いユックリ繋いでゆく。
スルスルッと車体が前に押し出るように滑る「おおっ」スタートからトルクを感じる!
「サイレンサーの容積が増えたからだな・・」
「音もイイね~」
ナーンて自画自賛ぎみでご満悦になっている。
市街地の車の多さと遅いペースにウンザリしながらもチョット使える中速域の加速に
「中速域の加速も仲々・・」云々と思考しながら移動する。
混み合っている街を抜け郊外の県道に入る頃にはいいリズムの走り。
試走中なのも忘れ加速とコーナリングを楽しんでいる・・気持ちはチョットした旅気分。
主道路を避け旧道、抜け道、と繋いでゆく・・車も少なく信号も無く、思い通りに走れてなかなか快適である。
時間も忘れ走り廻ってるうちに一時間半足らずで到着、意外に早かった。
寂心さんの樟」はこの場所に静かに佇んでいた。
その姿は幾多の時代を超えてきた風格と威厳が有りどこか厳かで凛々しくもあった。
穏やかなその空間に隣接して緑地公園もあり、その然りげ無さには当ご時世の営利的俗っぽさも無く
あまり期待せずに訪れた俺としては意外に心地よく気に入ってしまった。
無性にコーヒが飲みたくなり近くのコンビニまで行きカップのまま胸ポケットに押し込み
こぼれないように冷めないように慌てず、焦らず、急いで、飛ばして?
暫し寂心さんの木陰で憩いのひとときを楽しんだ。
また来よう、今度は皆で!
2018年 今年、最初で最後の林道を走る!
2019.01.18
今年(2018)はOFFを走らなかった・・・
「このまま終わる?俺のオフ人生」なんて考えたり・・・
そんな気持ちで迎えた12月、意外にも林道話が持ち上がった。
「おーォ♪」今年の締め括り、「行かなきゃ~」と奮起!
暮れも押し迫る12月23日メンバーも集まり「椎葉林道ツー」決行。
当日、天気はなんとなく怪しい・・・でも前日までの雨予報よりはマシ
何とかなりそうな空模様。
ほぼ一年半、久しぶりの林道・・走る前から不安が。
何なんだろうね~この不安?
うまく走れる・・か?・気力が続くか・無心に走れるか
かっこ良く乗れるか・衰えていないか・・・
こんな諸事情なのかな?(俺の心の中は)
そんな不安と疑問を抱えて走り始めた。
荒れた路面に揺れる車体・久しぶりの加速に戸惑う思考・・・意識してライディングに集中する。
少し緊張しながら走り始めたはずが気が付くと迷いや不安は消え去り無心で走っている。
そのライディングは弾ける心を持っていた懐かしい俺と交差する。
「オ~^o^ 」ヘルメットの中で自然と声がもれ頬は少し緩んでいた・・
(ふと湧き上がった感情は未熟な頃の俺を思い出し少し照れくさく・・そして恥ずかしくもあった)
フルスロットルで振れるステアリング・不意に裏切るように暴れるタイヤ、唐突に跳ねる車体、
その瞬間瞬間のアクションと格闘している。
動作は自然にこなし思考は停止「そうそうこの感じ、この感覚!」
夢中でスロットルを開け陶酔していく。
弾く様に振れていたハンドルはシナルように滑らかに・・
暴れる車体はリズムを作り・・急にグリップを失っていたEDタイヤVE33はスライドを伝えてくれる。
「よし!そうだ、これだよ!」身体が馴染んできている。
そう、山を走るにはこのタイヤがイイ!
山を走り始めた1979年・・
初代XR250時代から変わらずI.R.C(当時は井上だった)のVEを履き続けている。
色んなMX・E/Dタイヤを試したが結局このタイヤに戻ってしまう。
際立つ特性はないがXR250のマイルドなエンジン特性には相性がよく
色んな路面で接地感が掴みやすく安定しているこのタイヤが好きだ。
「まだまだ、(俺)イケるやん!」
霧中の小雨状態、悪条件の林道、良いペースを作って走り抜けて行く。
そんな勢いでも意外に疲れも感じず午前中は走り切れた。
昼を挟んで中盤こなし終盤迎えた最後の峠、
勢いつなぎノリよく走っていると不意にE/Gストール!
疑問に思いながらも再始動、リズムを戻す間も無く再停止・・・
何とか越えた峠の下りまたもや再失火・点火系トラブル!
その場で応急修理を試みるが原因不明・‥修理不能。
仕方ないので押したり牽引したりトライするも結局非効率で断念・・・バイク放置!
そう言えば・・今日は朝からヘマばかり。
出口の高速インターは見過ごすし、コンビニでは買い物忘れるし、バイクの保険は入れ忘れるし、
「今日は何かやらかすぞ」なんて皆思っていたんだって!・・・あとで聞いたんだけど。
そんなこんなで暗くなり、とどのつまりは夜の林道二人乗り・・
フラフラと頼りなく振れるライトの筋と闇夜に響くアクラポビッチのサウンド。
荒れた路面に惑わされる排気音は意外にも低く不安定で頼りなくそして物悲しい・・・
暗く霧で曇った排気音に紛れて濡れたヘルメットの奥から「いつまで乗れるんだろう・・?」と
吐き出すように問いててきた。
(こんな最悪の悪条件、夜の、雨で、霧の、林道二人乗り!
じっとり濡れてこんな時にそんな会話するか?)
うまく答えられず「な~に言ってんの、まだまだイケるぜ!」なんて答えた。
本当は俺自身への直球の問だ。
なぜ乗るのか?なぜ続けるのか?・・・誰も教えてはくれない。
迷うなら降りればイイ!
悩むなら留ればイイ!
疑問を感じるなら距離を置けばイイ!
答えは自分の心にあるさ・・・
なーんて、かっこいい事言ってるが現実は厳しかった。
・・夜の林道二人乗り、拡散ライトに惑わされ見えぬ轍でフロントとられアッと言う間にグジャリ転(ゴケ)。
二人仲良くバイクに挟まり押し競(くら)饅頭。
真っ暗闇に空向くライトに泥濘(ぬかるみ)林道、爺とおやじの悲惨な叫び。
「ゴメン!イテ、テ、テ」「熱チチィ、熱ーい!足退けろ、足!」
「ガハハハ・・・」
気を取り直し下る峠道、ふと目に入る遠くにキラリと明かり、それは麓より登りくる車のライト。
そして迎えるは輝く眩い神の光の如く。
迎えの使者(使車?)ハイエース!
「オー、やったね。迎えの車」
いつの間にか雨も上がり・・・ホッと一息安堵の笑顔。
まあ、それからが長いんだけどね・・
放置車両XR回収紀行(奇行かな?)
ハイエースのデカイ車体に不向きな林道
苦手な路面にトコトコ走り・・走るスピード徐行以下!
遅れ遅れて帰りは夜中。
回収・お迎えの皆さん、本当に有難う。
独り言
タンデムステップの無い林道二人乗りは意外に辛く、
二人分のリュックを背負い重い装備でシガミツキ、低い車高の足上げはまるで我慢大会。
疲れた足は荒れた路面に引き摺られバイクが振られ定まらない。
重いブーツでの足上げはものの数分も続かない、すぐにねをあげ乗車拒否!
疲れちゃタンデム、辛くて歩きの繰り返し、トボトボ歩きの行く先は残り林道20Km
二個のリュックに前かがみ、暗闇にヨタヨタ歩く60爺の哀愁姿
「歩きで、こりゃ~5時間かー?」
楽しくなるね・・・この歳で!
追伸
先日久しぶりに昔の部下に誕生祝いのメールを入れた・・・
今は同業者のその部下は、仕事の悩みかバイクの悩みか
「いつまでこんなんやってるんですかね?」とメールで聞いてきた。
「俺たち生涯現役さ!」すぐに返信、答えは出ていた。
ソイツにとって良いアドバイスかは解らない・・
でも俺なりに長い歳月を経てやっと導き出した答えさ・・・・。
2019年を迎えて
蘇った記憶「こだわりと言うべきか何と言うべきか・・」
2018.10.27
フォルダを整理していたら古い話が出てきました。
随分昔に記載していた話ですけどまあ読み物として気楽に読んでいただけたらと思います。
今読み返すと当時の自分の考えを再確認できて嬉しいやら恥ずかしいやら・・なんか複雑です。
いまでもツーリングの時、ふっと甦ってくる記憶がある。
昔々・・まだ押し付けのバイクライフ論を調子に乗って打(ぶ)ってる時期。
何気ない話の中で「今度、ナイトツーに行くのよー」彼女は自慢げな言葉を口にした。
「エッ、どこに行く?」と俺は動揺して聞き返す。
サークル活動みたいなツーリングクラブ(俺的には井戸端会議好きママゴトクラブ)まあ社会的にはそっちの方が認められるのだが・・
に所属している未熟ライダーからの意外な先制攻撃(不意打ち的発言)に体中に電気のような衝撃が走った。
(ナイトツー!?簡単に言うなよ、簡単に!!)
ナイトツーリング・・勿論夜のツーリング
闇夜のライトに映し出される限られた視野から路面状況・周辺情報、危険予知など諸々のコンディションを瞬時に見極めながらの長距離移動。
これは俺の知識ではかなり危険で上級のライディングを必要とするもの凄いエネルギーの要る行為、数多い経験と熟知を必要とするリスクの高いツーリングと思っている。
つまり多少の経験や真似事のテクニックでは到達できない究極のツーリングとして位置付けしている。
mi-ha-路線のひよっ子ライダーだと思っていた彼女から事もなげに略語で「ナイトツー」と抵抗無く(それも簡単に)言い切れている事に驚いた。
少ない経歴の身ながら夜間長距離移動、その行為を実行する!
たいしたスピードも出さないだろうがそこから得る物は多い・・
でも、さも経験済みだと言わんばかりの手軽そうな呼び方に本能的に嫌悪感を感じている。
(どういう事だよ、もう身に付けたと言う事??)
次の言葉に集中しながらも俺の頭の中はうまく整理できない思考で溢れていた。
少し意地悪な目をして焦らしながら「お気に入りのショットバーにクラブの人達(勿論ツーリングクラブの事だ)と夜集まって飲む事よ!そう名付けたの・・」
「飲み会のネーミング!恒例にするの、いいでしょー!」と嬉しそうに語ってきた。
はーぁ!!呆れた。
途端に情けないを通り越して押さえ切れない怒りの感情がこみ上げてきた。
「なんだよそりゃ、ナイトツーなんて付けるのヤメロよー!」
「大体ツーリングの意味合いがまったく違うだろー!」
「ナイトツーリングをしたことも無いくせにそんな呼び名に使うなよ」
「本質がまったく判って無いなー!」
たしなめる口調でしか答えられなかった。
「付けたいから付けたの!何が悪いの?」根底から拒絶する切り返しの言葉が帰ってきた。
俺とは師弟関係であり良き生徒(そう思っていたのは俺だけ・・)からの裏切り的反抗!
攻撃的な彼女の態度はつい先ほどまで演出されていた可愛らしさから一変しエゴ剥き出しの毒気の有る感情を露呈していた。
いったい何を主張したいのか俺には理解できないただ自分の趣向を批判され中傷された事に拘っている様にしか思えない。
その毒気はつい今まで俺に取り込まれてきた優雅なイタレスの雰囲気や美味しいワインまでも苦い後味に変えさせていた。
ツーリングの趣旨を問う俺に「ツーリングという言葉はバイクだけじゃない車でも自転車レースにも使うのよ!」と反論する。
でもな、最初はオートバイ用語なんだよ。
「ルーツを知っとけ、ルーツを!」持ち合わせてた言葉は上から押さえつけるものしか出てこなかった。
同じ思想を懐(いだ)けない距離感、突き放された様な孤独感・・悔しかった。
「ツーリング」この行為の意味するもの、学んで欲しい奥行、知ってほしい姿勢があった。
楽しいだけじゃない苦しいーとか、悲しいとか寂しいーとか色々あんのにそんなこと感じなきゃツーリングに行った事にならないだろー。
そう思うのは俺だけなのかー?
俺の身勝手なのかー?
そうじゃなきゃ経験なんて言葉は生まれないだろー!
(活き方を学べよ、生き方を!)
上っ面だけの思い付き発想で軽々しくナイトツーなんて言うなよ。
今まで多くのことを諭(さと)してきた俺のバイク好き感情は否定していた。
乗ることで自分を見つめたり自分を表現する事はないんだ!
ただ楽しいだけでいいんだなーお前は・・
娯楽的思考で都合のいい解釈をして、身に付かない実力、軽い達成欲に酔い身勝手な悟りに過信している。
ただ不愉快になる一方だった・・
「ツーリング」・・旅をする、 感じる事が旅の重さ・・それは生き方を感じる事。
大好きなバイクならそんな考えぐらい持てよ!!
追伸:なんでこの話を・・と自分でも想うのだが
多分・・先日実家までLemans (久しぶりにバイク)で帰省したことが起因している。
往路は早朝走り帰路は空いている夜走りを選んだ。
片道約180Km高森の峠越えから高千穂を抜ける山間道路
もう何十年と走り慣れた道、昔みたいにいいペースで走れると思い込んでいた・・
でもライトに照らしだされるコーナーはとても怖く昔のペースが作れない!
侵入を抑えて異常にマージンをとっている。
「怖いのだ」昼間はソツナク攻めれるコーナーも全くダメ。
俺はこんなに萎れてしまったのかと虚しくなってきた。
日頃使っているハイエースの方がよっぽど早く走れている・・
確かにバイクのライトはコーナーでは不利だ!
でも、
少し濡れていそうな路面が何だ!
見えないうねりやギャップが何だ!
苛立ちと歯痒い思いだけが残ってしまった・・
よーしもっと乗ろう!
そう、もう少し早く走ろう。
危険だよ・・・・ナイトツーリング。
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